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Showing posts from May, 2007

初心に戻って少し復習

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たわみ量の話題が続いていたので、次に作用する力についても計算をやっていきたい、というノリなのだが、その前に少し復習をしてみたいと思う。 どのような作業でもそうだが、実際取り組もうとしている事柄を事前にイメージしてから、作業すると「よく考えてみれば当たり前だった」というような簡単なミスをなくすことに繋がる。また、いきなり、難しい式を並べ立てると、私自身、何をやっているのか段々と分からなくなってくる性格であるので、難しく考えすぎず、まず大体のイメージを理解したいと思う。そこで、定式化を行う前に、まず、シンプルなモデルにおいて、どのような速度、加速度波形になるか、想像してイメージして十分捉えてから、定式化作業に入りたいと思う。 まず、図1 のような問題を考えてみた。 地面に置かれている物体(剛体)が、後ろから、ポンッと押されて、移動した後、地面との摩擦によって停止するモデルだ。地面との摩擦というと、なにか、難しいような気がしてくるのだが、振動の教科書に記載されるような一般化モデルで表現すると、図2 のように表現できると思う。(ただし物体は返ってこないので、バネ定数項はゼロ) 図1. 図2. これは、実際に、テーブルに消しゴムなどを置いて指で、はじいている感じを想像すれば良いのだと思う。初速度ゼロの物体は、押されて、速度が上昇し暫くした後、最高速度に達する。その後、また速度は低下し、速度ゼロになって停止するといった具合になると、私はイメージする。最高速度が 3.0 [m/sec] で、移動時間が、3.0 [sec] であった場合を例にとって考えると、以下の図3 のような感じになると思う。尚、時間のズレであるとか、停止における速度低下の方が、もっと緩やかであるとか、色々と細かな違いは、実際にはあると思う。 図3. 速度を表現できれば、あとは、それを微分して加速度。また積分して変位量を表現することが出来るので、加速度、変位量波形も、上の図3に記載してみた。 ここで、平均速度(図3 内では、 Average Velocity )という値がある。これは、以下の式によって求められる。 平均速度 = 結果として移動した距離 / 移動時間 上の図3には、この平均速度というのも記載してみた。 今回の場合、移動距離が 4.5 [m] 移動時間が 3.0 [sec] としたので 平均速度 =

Impactをもっと使ってみる3

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Fig.1 のように、質量 m の剛体が、v 0 の一定速度で、運動しているとします。 剛体が、長さ L , 断面積 A の棒に衝突したとき、棒はどの程度たわむ(圧縮)ことになるか、求めてみようと思います。 ただし、棒自身の質量による、慣性力(静止していようとする慣性力)は無視するとします。また、剛体が、棒に衝突した瞬間から、剛体は棒と一体となって運動する(跳ね返りは無かった)ものとします。 剛体の運動エネルギーを、棒の弾性歪みエネルギーで、完全に吸収したとした(剛体の運動が静止し、棒のたわみ量が最大となった)と考えます。 剛体が速度 v 0 で運動している場合、剛体が持っている運動エネルギーは、 1 / 2 ⋅ ( m ⋅ v 0 2 ) バネ定数 k のバネが、x だけ縮むとき、その弾性歪みエネルギーは、 1 / 2 ⋅ ( k ⋅ x 2 ) ここで、棒の軸方向に荷重 F を加えた時の、たわみ量 x を求める式は、 x = ( F ⋅ L ) / ( A ⋅ E ) 上式を、F= となるように整理すると、 F = ( ( A ⋅ E ) / L ) ⋅ x となる。 上式と、フックの法則式 F = k ⋅ x を比較すると、ちょうどバネ定数 k に相当する部分がわかる。よって、長さ L , 断面積 A , 縦弾性係数 E の棒を考えた場合、そのバネ定数 k は、 k = ( ( A ⋅ E ) / L ) となる。 よって、バネの弾性歪みエネルギーの式より、棒の弾性歪みエネルギーは、 1 / 2 ⋅ ( k ⋅ x 2 ) = 1 / 2 ⋅ ( ( ( A ⋅ E ) / L ) ⋅ x 2 ) 今、剛体の運動エネルギーを、棒の弾性歪みエネルギーで、完全に吸収したときを考えているので、 1 / 2 ⋅ ( m ⋅ v 0 2 ) = 1 / 2 ⋅ ( ( ( A ⋅ E ) / L ) ⋅ x 2 ) となる。 よって、棒の軸方向たわみ量 x は、 x = √( m ⋅ v 0 2 ⋅ L / ( A ⋅ E ) ) となるはず。 次に、たわみが最大となる時間について考えてみる。 Fig.3 のように、バネ⋅マス系と捉えると、これは周期的な振動をする1自由度系の振動モデルと捉えることができる。このような単純な1自由度系の振動モデルの、固有円